翻訳アプリを開いている数秒が、いたたまれません。
海外で商談をする機会があります。言いたいことを入力して、画面を見せて、相手の返事をまた翻訳して。用件は、まあ伝わります。伝わるんですが、やり取りがまったくスムーズにいきません。
相手を待たせている間に、表情が少しずつ変わっていくのがわかるんです。ああ、イライラさせてしまっているな、と思いながら、それでも入力するしかない。
しかも、出てきた訳が本当に合っているのかどうか、わたしには判断がつきません。強すぎないか、失礼になっていないか、確かめようがない。本当に伝えたかったのはそこじゃないのに、と思いながら画面を見せたことが何度もあります。
それで、重い腰を上げて英語をやり直すことにしました。
正直に書いておくと、わたしは中学英語までしかろくにやっていません。 学生時代以来、英語にまともに触れてこなかった。そこからのスタートです。
調べても調べても、決まらない
やると決めてから、最初にぶつかったのがここでした。
情報が多すぎるんです。
「おすすめ15選」を読んで、次に「最新版」と銘打たれたランキングを読んで、口コミを探して、また別の比較記事を開いて。そうやって何時間も調べたのに、始める前より分からなくなっていました。
調べるほど選択肢が増えて、そのぶん決められなくなる。いい時代になったはずなんですが、こういうときは逆に困ります。
なぜ決まらないのか考えてみたら、思い当たることがありました。
わたしは比べられないものを比べようとしていたんです。
種類が違うものが、同じ表に並んでいる
比較サイトの一覧を見ると、たいてい全部が同じ表に入っています。でも中身をよく見ると、ぜんぜん違うものが混ざっていました。
ひとつは学習アプリです。スマートフォンで完結して、相手は人間ではありません。いつでも始められて、いつでもやめられます。
ふたつめがオンライン英会話。講師と通信でつないでレッスンを受けます。相手が人間なので、時間を合わせる必要があります。
みっつめがコーチング型。学習の計画を立てて、伴走してくれる人がつくタイプです。レッスンそのものより、進め方を設計してもらうことに比重があります。期間が決まっていて、総額はいちばん高くなります。
この3つ、解こうとしている問題がそもそも違います。
「話す量が足りない」のか、「人と話す場数が足りない」のか、「そもそも続かない」のか。自分がどこで詰まっているかによって、見るべき層が変わるんです。同じ表に並べて値段で比べていたら、そりゃ決まりません。
先に、自分の条件を書き出した
種類がわかったところで、今度は自分の条件を決めることにしました。
これをやらずにサービスを見ると、どれも良く見えてしまうんです。公式サイトはどこも上手に書いてありますから。
目的
わたしの場合は、商談で相手の話を聞き取って、その場で返せるようになることです。
試験のスコアは要りません。読み書きも、今のところそこまで困っていない。資料は事前に読めますし、メールは時間をかければ何とかなります。足りないのは、聞いて、話すところだけでした。
ここがはっきりすると、「TOEIC対策に強い」といった売り文句は、わたしには関係ないということになります。候補が減りました。
使える時間
毎日まとまった時間は取れません。移動中や、仕事の合間の短い時間が現実的なところです。
決まった時間に予約を入れる形式は、たぶん続かないだろうなと思いました。これは英語というより、自分の性格と仕事の都合の問題です。
予算
月にいくらまでなら、成果が出るまで払い続けられるか。
ここを決めておかないと、高いコースを「これなら効きそう」という気分で選んでしまいます。実際、調べている途中で何度かその気になりました。
良さそうなものを探すのをやめた
この3つを決めてから見直したら、候補がかなり減りました。
やり方を変えたんです。良さそうなものを探すのではなく、条件に合わないものを外していく。
「決まった時間に予約が必要」なら外す。「試験対策が中心」なら外す。「月額が予算を超える」なら外す。これだけで、あの膨大な一覧が扱える数になりました。
おすすめランキングを何本読んでも決まらなかったのに、条件を書き出したら30分で絞れました。先に自分を決めるほうが早かったわけです。
まだ分かっていないこと
正直に書くと、この時点ではまだ分からないことがあります。
無料体験で、実際の中身をどこまで確認できるのか。続かなかったときに、どういう条件でやめられるのか。短い時間の学習でも成立する形式は、本当にどれなのか。
このあたりは公式サイトを読むだけでは判断がつきませんでした。実際に無料体験を受けてから書きます。
このサイトでは、調べてわかったことと、まだわからないことを分けて残していきます。英語ができるようになった人が教える場所ではなくて、これから始める人間が調べた記録です。
同じように、仕事の都合で急に英語が必要になった方の、比較の手間が少しでも減ればいいなと思っています。
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